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未告知の口(くち)パク・ライブは詐欺行為じゃなかろうか? [徒然なるまま]

先日オバマ大統領の二期目の就任時にビヨンセが歌のパフォーマンスをしたが、それが口(くち)パク疑惑(というはほぼ口パクと断定されているようだ)で世間を賑わしている。何を今更という気がしないでもない記事でしたが、アメリカの大統領の式典で口パクするとはオバマ大統領も随分と舐められたものです。

ビヨンセもこのような大舞台で口パクするとは、演者としての価値を下げた感じもする。

(以下web記事の引用)

Washington Postなどによると、2月3日に開催されるスーパーボウル・ハーフタイムショーに出演するビヨンセは、1月31日にプレス向けの会見に出席。記者たちに起立するよう求め、国歌をアカペラで歌って見事な歌唱力を披露すると「何か質問は?」と呼び掛け、笑いを誘った。

 その後、「わたしは完璧主義者なの」と語り出したビヨンセは「いつもは足から血を流すまで練習するんだけど、あのときはオーケストラとリハーサルをする時間がなかった。悪天候だったし、適切なサウンドチェックができなかったからリスクを冒したくなかったの」と録音テープを使用することになった経緯を説明。

 さらに「オバマ大統領の就任式だったし、わたしは彼にこの国を誇りに思ってもらいたかった。だから事前に録音したものに合わせて歌うことに決めたの。音楽業界では普通のことよ。わたしはあのパフォーマンスをとても誇りに思っているわ」と“口パク”は就任式を完璧なものにするための選択であったことを明かした。(引用ここまで)

口パクという言葉を知らない人のために解説すると、ライブ演奏時に予め歌が録音された音源を使い、あたかも現場で歌っているようにパフォーマンスすることを云います。
海外ではこれを「リップシンク(Lipsync)」と言います。技術発達と共に起きた現象ですが、実は80年代から行われております。

録音された音源と現場において生で歌っている音の両方を一定の割合で使う場合もあれば、完全に録音の歌だけを使い、本人のマイクはオンになってないなんていう酷い想定の2通りの方法が考えられます。
口パクは、歌い手の力量やコンディションに左右されないパフォーマンスを見せるという興業者や歌手側の諸事情で起こる現象です。しかし本当にそれでいいのでしょうか?


ビヨンセさんのコメント主旨は、自分は完全主義なので当日の準備不足を理由にクチパクしたというのがポイントです。
しかし本当の完全主義ならリハーサルをキチンとできるスケジュールで大統領の式典に臨むのが完全主義に値する人に言葉じゃないだろうか?
ビヨンセさんに悪意はないと思うのだが、彼女のこの発言はプロとしてはかなり残念なレベルである。マネージメントにも非がある。結果的に言えば本当は出来るんだけど、色々あってやりきれませんでした・・という稚拙な話なのだ。

口パク対応のライブは、特ダンス系で多く見られ、K-POPのグループなどは、かなりの割合で事前に録音された音源を使いながら本人が生歌を被せて踊る方法でパフォーマンスを成立・展開させているのは公然の秘密のようなものです。事前録音された音と現場での歌の比率は様々ですが、ほぼ録音7~5:現場3~5という混合比でしょう。どうやら100%口パクというのはなさそうです。
ヴォーカル力があるという有名なグループでも事前録音の音源に生歌を被せてライブをしておりましたが、個人的には裏切られた感じが致しました。


ダンス系はダンスパフォーマンスが激しいため、歌を安定的に歌えないという事情があるのも事実です。

事の真偽は確認できない情報で申し訳ないのですが、私のアメリカ人の音楽業界にいる知り合いからジャネット・ジャクソンのライブで彼女の代わりにステージ脇で歌っていたという人物と会って話を聞いた事があると教えてくれたことがありました。その人物の発言によれば、PAから出ているヴォーカルの殆どの成分はステージ脇で歌っている人物の声で、ジャネットそっくりに歌える人間をオーディションで選んでいたということです。まだ現代のようにライブ全編をPro Toolsのような機械でシンクロさせられない時代だったのでアナログな方法を使ったという可能性も否定できませんが、実に興味深い話です。

私は昔ジャネットのコンサートを東京ドームで見た事があります。歌が全て自身のものだったかどうかは分かりません。マイクがオンになっていたことは間違いないので、彼女も唄ってはいたのでしょう。
しかし、もしそうだとしたら行った私には残念な気持ちが残ります。
ちなみにマイケル・ジャクソンの東京後楽園球場での初ライブにも行っておりますが、この時の歌は彼自身が唄っていたと思います。

さて、口パクについては特にダンス系や一部のアイドル系のライブに行く人の多くがあまり目くじらを立てていないようにも思えます。ひょっとしたら気がついていないからかもしれません。でも知ったら何となく釈然としない気持ちが残るでしょう。

例えばこういう例はどうでしょう?

クラシックのコンサートに行き、演奏者が全て事前に録音した音源を聞きながら演奏している振りだけのコンサートに行ったとしたら?

3大テノールと言われるルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスらが口パクしてたら?

坂本龍一氏のピアノコンサートに行き、彼が事前に録音した音源を聞きながら弾いている真似をしていたとしたら・・?

桑田佳祐氏や山下達郎氏、JUJUさんや西野カナさんが事前に録音したヴォーカル音源を利用してコンサートをやったとしたら?

歌舞伎の役者が事前に録音したセリフで演じたとしたら?

劇団の舞台が事前に録音したセリフで公演をしたとしたら?

多分次からそれらの公演には客が来ないでしょう。また事前にそうした情報がなくチケットを買わされたらあなたは怒りませんか? 

昔のアイドルっぽいバンドなどは、本人たちの演奏では音楽が成立しないので、スタジオミュージシャンによって演奏を録音して発売しているものがありました。またライブでも本人たちの演奏では心もとなかったり音圧が出ないので、観客から見えないような位置でサポートミュージシャンが追加の演奏をしてライブを成立しているようなものもありました。それでも本人たちが演奏し、唄っていたので多少救いはありましたが・・。
しかしそういう発信側の倫理観のなさが当たり前になってしまし、観客もそれに慣らされているのだと思います。

少なくともライブとは人間技による芸と演出の集積であることが基本前提だと思います。殆どの観客は、高度な人間技とアーティストの存在感、そしてプロの演出に対して対価を払っていると考えるのが自然でしょう。
もちろん人によってはアーティストに会いたいだけとか一緒の場所に居たいなどの理由もない訳じゃないでしょう。それでも自分たちにはない高度な人間技があり、それを見る事が出来るからこそ、舞台と観客の空間を特別にする訳です。

昔、観光地のお土産が見た目をよくするために上げ底をして客が実際の量より多く見えるようにしたことが問題となりました。食品なら様々な表示義務が法律で規定されております。

もし、口パクという演出方法でライブをするならば、チケットにそうした表示をするべきでしょう。歌ではなく、ダンスを見に来て欲しいというのなら、そう観客に伝えるべきです。
それでも問題のない人は対価を払って行く選択をすることが出来ます。人の価値観は様々なのでそれでもよければ問題ありません。情報を理解した上で行くのなら個人の選択の余地が出来ます。

しかし現状、そうした点は曖昧にされ、改善の動きもありません。

レストランで結構いいステーキを食べられるほどの料金を取って見せるのであれば、そういう情報は事前に教えて欲しいとも思うのが人情じゃないでしょうか? 松坂牛だと思ったら違う牛のステーキが出てきたら、多分NHKのニュースに取り上げられるでしょう。

私個人の意見としては、事前情報がない中で行う口パク・ライブは詐欺行為だと思っております。先に示した例を見るまでもなく、ダンス系やK-POPはそうした行為が世間的に何となく許されて、桑田佳祐氏や山下達郎氏では(多分)絶対に許されないというのは全く間尺に合いません。
韓国でも口パクは議会で問題になっているという記事を読みましたが至極当然でしょう。

また発信側の倫理観も欠如が甚だしいと思っております。
口パクはアーティストの価値を自分自身で棄損する行為です。大勢を集めておいて自分はライブでは唄えない人間だと発信しているのと同じです。また芸で飯を食っている人間が芸のせめぎ合いを自ら放棄し、楽な方法を選ぶとしたらもはやその人物には特別な価値がありません。
もちろんダンス系ライブは長時間ダンスを持続させなければならないという肉体的負荷があり、通常のように唄うのが困難で負担が重い訳です。
であれば、演出上の問題で歌の入った音源を使用することを了承の上来場くださいと断ればいいのだ。別に恥ずかしいことじゃない。他の部分で客を魅了すればいいだけだし、客もそれで良いのなら問題ではない。

残念ながら、ライブには品質表示をするべき時代が来ているというのが私の結論です。


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